図解でみるエネルギーのしくみ
Let’s Think ENERGY !
Vol.01
太陽光発電のしくみ
ソーラーパネルは、どれくらいの面積で、どれだけ電気を生み出すの?
どうやって、太陽の光から電気が生まれるの?
太陽光発電のしくみ、そのキホンを解説します。
太陽電池が発電するしくみ
「太陽電池」は、「電池」と付いていますが、電力を蓄える装置ではなく、太陽の光エネルギーを直接電力に変換する「発電機」の役割をはたします。
太陽から地上に降り注ぐ「光エネルギー」が「太陽電池」に当たると、「光起電力効果(ひかりきでんりょくこうか)」とか「光電効果(こうでんこうか)」と呼ばれる現象が起こります。
光が照射されることで、太陽電池を構成している半導体の電子が動き、電気が起きるのです。
太陽電池は、シリコン系、化合物系、有機系とあって、それぞれに発電効率がちがいます。現在の主流はシリコン系で世界の生産量の約8割をしめています。
ソーラーパネルって?
ソーラーパネルは、太陽電池をたくさんつなげたもの。
いちばん小さな単位を「セル」、そのセルを板状につなげたものを「モジュール」、とか「パネル」とよびます。
最近ではソーラーパネルを、一般家庭の屋根に設置することが増えてきました。
また、効率良く大きな電力を生み出すために、休閑地など広い土地にたくさんのソーラーパネルを設置して大きな電力を生み出す、「メガソーラー」と呼ばれる太陽光発電施設も増えています。
どのくらい発電できるの?
例えば、土地2ヘクタールにおかれたソーラーパネルは約1MW(1,000kW)の定格出力の電力を生み出すことができます。
ただ、夜もあれば、曇りの日もあります。ずっと発電し続けることはできません。
太陽光発電は、年間のうちおおよそ13%の利用(発電)を見込むことができます。
つまり、約1MW(1,000kW)のソーラーパネルで発電される年間の発電量は
(約1,000kW×24時間×365日)×13%=約1,138,800kWh
一般家庭が年間に消費する電力量は平均で約3,600kWhですから、約1MWのメガソーラー発電所が作る一年間分の電力量で、およそ316世帯分の年間使用電力量をまかなうことができます。
メリットとデメリット
太陽光発電は、太陽光が当たれば電力を生み出してくれる発電方法です。
ただ、太陽光が当たっていない、夜間や日照不足の時間は発電することができないため、電力を毎日一定量供給するという「安定性」の面では弱い部分があります。そのため、発電コストはすこし高めにかかってしまいます。
そのかわり太陽光発電は、火力発電や原子力発電のように、燃料を必要としないので、排気ガスやCO2、燃えかす、使用済み燃料の処理なども発生しません。
また、火力発電のようにエンジンやタービンといった稼働部分がないため、故障が発生しにくく信頼性が高いことも特徴です。
地球環境にやさしい安全でクリーンなエネルギーとして、近年急速に普及が進んでいます。
どんな場所で発電しているの?
ソーラーパネルは、太陽光を受けて発電するため、基本的には、日射量の多い土地に多く建てられています。また、メガソーラー発電所は土地をたくさん必要とするため、広い土地があいているところにあります。
広い土地があるということで、標高の高いところや、降雪地帯でも、建設される場合があります。
その時は、設置する角度を変えるとか、さまざまな工夫がされています。
もうひとつ、重要な要件があります。大量の電気をおくるための送電線です。
広くて日射量の多い土地があっても、送電できる容量があいていない場合は、建設できない場合があります。