シーソーにスライダー、ソーラーカー......どれもただの遊具ではありません。
実は、とっとり自然環境館のサポーターの子どもたちが自由に思い描いた"未来のエネルギー"なのです!実際に遊びながらエネルギーを体験できます!
11月4日、当社発電所の付帯施設であるとっとり自然環境館の開館10周年フェスタで、子どもたちのアイディアを活かした体験遊具が披露されました。
体験遊具が披露された11月4日の成果発表会
2020年10月から始まり約3年、17人の子どもたちとともにつくり上げてきた特別バージョンの「未来×エネルギー プロジェクト」。その成果を発表した後の、子どもたちの満足気な表情が印象的でした。
成果発表当日の様子をお伝えする前に、まずはとっとり自然環境館についてご紹介します。
●とっとり自然環境館とは?
再エネや自然保護活動、鳥取県の自然が学べる施設
とっとり自然環境館は、太陽光発電所「テラスエナジー鳥取米子ソーラーパーク」の敷地内にある、再生可能エネルギーや自然保護活動、鳥取県の貴重な自然について楽しく学べる施設です。(とっとり自然環境館のホームページはこちら)
「テラスエナジー鳥取米子ソーラーパーク」事業者の鳥取米子ソーラーパーク株式会社が、特定非営利活動法人エコパートナーとっとりに運営を委託しています。
2013年の開館以来、子ども向けエネルギー教室などたくさんの催しを実施し、これまでの来館者数は12万人を突破しています。地域の皆さんに親しまれて、2023年10月には開館10周年を迎えました。
開館10周年を記念しフェスタが開催されました
そんなとっとり自然環境館で、コロナ禍の2020年に始まった環境教育プログラムが、「未来×エネルギー プロジェクト」特別バージョンです。
●「未来×エネルギー プロジェクト」とは?
サポーターの17人の子どもたちと、ともに学び・ともにつくってきた環境教育プログラム
「とっとり自然環境館で子どもから大人まで楽しく再生可能エネルギーの発電が学べる展示物を提案せよ!」。これが、とっとり自然環境館のサポーターの17人の子どもたちに届けられた、「未来×エネルギー プロジェクト」のミッション(お題)です。
プロジェクトのスタートは2020年10月。コロナ禍でどうしても移動が制限される中、東京の講師と、鳥取県米子市の環境館とをオンラインでつなぎ、発電体験や創作活動を継続的に実施するプログラムが始まりました。(より詳しい記事はこちら。)
子どもたちは、「エネルギーって何?」と自分の頭で考えることから始まり、体験を通じて学び、身近なモノに引き付けたアイディアを、イラストなどにして発表します。
そして、発表したアイディアを、とっとり自然環境館に来館された方に分かりやすく見てもらうため、スライドショー「ゆめの木」を作成しました。
スライドショー「ゆめの木」の1枚。鳥取県の特産品梨がデザインのモチーフ
2022年には、アイディアをジオラマ化し、完成品をお披露目しました。
ジオラマにはソーラーパークのアイドルのヤギさん(↓)もいますね
さらに、子どもたちが考えたアイディアはアニメーション動画にも。17人のサポーターの意見を取り入れ、地元のアニメーターと打ち合わせを繰り返し、2022年に完成しました。
アニメーション動画は成果発表当日もモニターに映し出されていました
「未来×エネルギー プロジェクト」に参加した子どもたちは、スライドショーやジオラマ、アニメーション動画と、「未来の0円エネルギー」のアイディアを"伝える"展示物を最初に出されたミッションの通りつくってきました。
そこからさらに一歩進んで生まれた思いが、「アイディアを実際のカタチにできないか、、?」というもの。その思いが、"体験"できる遊具の制作へとつながります。
●発表された成果は?
アイディアをもとに完成した「みんなが遊べる遊具」
子どもたちが考えた「未来のエネルギー」の中には、本当にエネルギーとして活用できるものもたくさんありました。そんなアイディアを、とっとり自然環境館に来場した子どもたちに目で見るだけでなく遊んで体験してもらえるよう、乗り物などの遊具を制作することになりました。
コンセプトは「みんなが遊べる遊具」。米子市の地元企業と協力して制作し、完成した体験遊具のお披露目が11月4日の成果発表会で行われたのです。
いよいよ発表当日。お披露目された5つの遊具
サポーターみんなで緑と白の花のリボンを付けいざ発表。たくさんの来場者が詰めかけ観客席は満員で、最初は緊張の面持ち...。
それでも緊張に負けず、一人ひとりが考えたエネルギーのアイディアを、イラストを見せながら自信を持って発表してくれました。
「さかなエネルギー」「てんびんぐらぐらエネルギー」......など、身近にあるモノに引き付けて考えられたアイディアはどれも素晴らしい着眼点でした。
次に、実際にカタチになった「みんなが遊べる遊具」の紹介です。
◆シーソーばたばたエネルギー
元のアイディアは「シーソーの動きで発電し、エアコンをつけるために使いたい」というもの。シーソーの"ばたばた"という動きに合わせて、青とピンクのライトが鮮やかに点灯する遊具になりました!
◆ソーラーカー
「カートの前に太陽光パネルをつけて、電気を貯めてカートを動かす」。このアイディアは、小さな子どもが楽しめる、小さな太陽光パネルを載せたかっこいい乗り物としてカタチになりました。
発表してくれたサポーターの子は「とっとり自然環境館を2周くらいしたいです」と理想を話してくれました。
◆「江島大橋スライダー」エネルギー
江島大橋(別名:ベタ踏み橋、写真)をイメージしたスライダー遊具。そりが滑るとイルミネーションを模したライトが光ります。
最初のアイディアは「江島大橋に大きなローラー付きのスライダーを作り、人が滑ってローラーを回転させる。その回転エネルギーを使ってイルミネーションを点ける」というスケールの大きなもの...!
◆足踏み発電エネルギー
「人が乗ったり下りたりして、明りをつける」「人が動いた振動で発電」など、実際に研究開発が進むアイディアをもとにした遊具。みんなで楽しく足踏みすれば、手に持ったライトが灯ります。発表者のサポーターは「天井や遊歩道の灯りに使いたい」とアイディアの未来を話してくれました。
◆「自転車こぎこぎ」エネルギー
「車輪の回転で無線が反応して、車が動く」という想像が、押して走ればメロディが鳴る乗り物遊具に。エネルギーを光ではなく音にしたのはこの体験遊具だけでした。
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成果発表が終わった後は、来場した小さな子どもたちが、待ちきれんばかりに遊具に飛びつき、思い思いに遊んでいました。
サポーターのみんなが、遊び方と一緒にどこでエネルギーが生まれるのかを自然にお話しするなど賑わいました。
「未来×エネルギー プロジェクト」の素敵な成果がまた一つ、10周年を迎えたとっとり自然環境館の財産になったのではないかなと思います。この財産が、主体的で創造的な子どもたちの学びにつながっていくことを願っています。
(編集:テラスエナジー広報室)